社会保険料削減

 現在、社会保険料の負担は会社と本人合計で給与のおおよそ3割近くになっており、厚生年金保険料は今後平成29年まで年0.354%ずつ上昇し、18.3%で固定される予定です。

税金は原則として利益の出ている企業に対して課税されますが、社会保険料の会社負担分はたとえ赤字であっても一律に徴収されますので、企業経営者の立場としては、適正なやり方で社会保険料を節約できる方法はないものかと考えたくなるのも理解できますし、社会保険料の削減に関する書籍等もいろいろ出版されています。

なかなか難しい面もありますが、社会保険料の仕組みについて理解しておくことは必要でしょう。

 社会保険料には「保険料額表」が存在します。この表には等級が段階的に定められており、給与月額○○円以上○○円未満はこの等級に属し、その等級の健康保険料はいくら、厚生年金保険料はいくらと決められています。

例えば月給が400,000円、通勤手当10,000円の人は支給総額410,000円で「395,000円以上~425,000円未満」の等級に該当します。

この人がある年に14,000円昇給した場合合計424,000円となり、425,000未満なので社会保険料は変わりませんが、1,000円多く15,000円昇給すると1つ上の等級(425,000円以上~455,000円未満)に該当し、社会保険料が本人負担・会社負担合わせて月額で8,500円弱、年額で10万円以上アップしてしまいます。

つまり昇給を14,000円に留めた方が社会保険料も節約でき、本人の手取りも多くなることになります。

 しかし、社会保険料の対象となるのは残業代等を含めた給与総額ですから、社会保険料の決定に影響する4月5月6月の期間(算定基礎届の対象期間)に残業があると当然前述のように見込めなくなります。この期間に残業をしないというのがベストでしょうが、それは仕事の繁忙状況にもよりあまり現実的ではないと思います。

 そこで、対策の1つとして考えられるのが「定額残業手当」を導入して一定の残業時間までの給与を固定化することによりある程度社会保険料を計画的に設定する方法です。

各事業所の事情も異なりますので導入については労使合意はもちろん適正な手続きを経て慎重に行う必要があります。給与制度全体にも影響する問題ですので、場当たり的な実行は混乱を招くことにつながりかねません。

また、忘れてはならない重要な点として、社会保険料が削減されるということは同時にケガ・病気の際に受給する傷病手当金や出産の際の出産手当金などの給付額がその分減ることにつながること、また、労災保険や雇用保険の受給額にも影響する面があるということです。

デメリットも考慮に入れた総合的な判断が求められます。

 

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